目次
- モバイルバッテリーを正しく処分すべき理由
- 処分前に確認しておきたいポイント
- モバイルバッテリー処分の基本ルート
- 自治体に出すときの具体的な流れ
- JBRC回収協力店を利用する流れ
- メーカー回収サービスを活用する流れ
- 膨張・破損した危険なバッテリーの扱い方
- 横浜市・綾瀬市・大和市の先進事例
- よくある質問Q&A
- 処分前の保管と安全対策
- 今すぐできるチェックリスト
モバイルバッテリーを正しく処分すべき理由
モバイルバッテリーの多くはリチウムイオン電池を内蔵しており、誤った捨て方をすると、収集車や処理施設での発火・爆発事故につながるおそれがあります。
実際に電車内での発煙や火災事故が全国で問題になっており、環境省は2025年に「家庭のリチウムイオン電池は市区町村が回収する」方針を通知するなど、ルール整備が進んでいます。
処分前に確認しておきたいポイント
処分を始める前に、次の3点をチェックしておくと、その後の手続きがスムーズです。
- バッテリーの状態(正常・膨張・破損・液漏れの有無)
- メーカー名・型番・容量などの製品情報
- 自治体・JBRC・メーカー回収のうち、どのルートが利用できるか
とくに膨張やひび割れがある場合は、通常のリサイクルボックスに出せないケースが多いため、「自治体かメーカーに相談」が基本になります。
モバイルバッテリー処分の基本ルート
一般家庭で使うモバイルバッテリーの主な処分ルートは、次の3つです。
- 住んでいる自治体の回収方法を利用する
- JBRC(小型充電式電池リサイクル)加盟の回収協力店に持ち込む
- メーカーが用意している自己回収サービスを利用する
全国どこでも使いやすいのは「JBRC」と「メーカー回収」ですが、環境省の通知以降、多くの自治体でごみステーションや乾電池回収と一体的に回収する流れが進んでいます。
自治体に出すときの具体的な流れ
自治体にモバイルバッテリーを出すときの基本ステップは、次のとおりです。
- 検索エンジンで「〇〇市 モバイルバッテリー」などと検索し、公式サイトの分別ルールを確認する
- 「燃やせないごみ」「電池類」「小型充電式電池専用ボックス」「持込施設」など、自分の地域の区分を把握する
- 指定どおりに電極をテープで絶縁し、指定日または指定場所に持ち込む
横浜市のように、モバイルバッテリーを乾電池などと同じ「電池類」として、ごみ収集日に出せるようにした自治体もあり、利便性は年々向上しています。
JBRC回収協力店を利用する流れ
JBRCは、小型充電式電池のリサイクルを行う団体で、家電量販店やホームセンターなどに回収ボックスを設置しています。
- JBRC公式サイトで「会員企業一覧」を確認し、自分のモバイルバッテリーのメーカーが加盟しているかチェックする
- 「回収協力店検索」から最寄り店舗を調べ、店頭のリサイクルボックスに投入する
ただし、JBRCの回収対象は「JBRC会員メーカーの製品」に限られ、破損・膨張など異常のある電池は回収対象外となる点に注意が必要です。
メーカー回収サービスを活用する流れ
大手メーカーの中には、自社製モバイルバッテリーを対象に、故障品や破損品も含めて回収する「自己回収サービス」を用意しているところがあります。
たとえばAnkerは、同社のモバイルバッテリー全製品を対象に回収サービスを行っており、申し込み後に返信用レターパックと耐熱パックが送られてくる仕組みです。
膨張したバッテリーなどを宅配で送る場合は、運送会社から耐熱バッグの使用などを求められることがあるため、発送前に条件を確認しておくと安心です。
膨張・破損した危険なバッテリーの扱い方
膨張したバッテリーや、ケースが割れて内部が見えているような状態のものは、通常の回収ボックスに入れられない場合が多く、JBRCも回収対象外としています。
- 「膨張・変形・ひび割れ・液漏れ」がある場合は、必ず自治体の担当部署かメーカーに相談する
- 自治体によっては、資源循環局の事務所やリサイクル施設への直接持込を指示される
一部自治体では、電極をテープでしっかり絶縁したうえで「燃やせないごみ」に出せるケースもありますが、地域ごとにルールが大きく異なるため、自己判断は禁物です。
横浜市・綾瀬市・大和市の先進事例
神奈川県の横浜市・綾瀬市・大和市は、モバイルバッテリー回収の面で特徴的な取り組みを行っています。
| 地域名 | 通常のモバイルバッテリー | 膨張・破損モバイルバッテリー |
|---|---|---|
| 横浜市 | 乾電池などと同じ「電池類」として、ごみ収集日に袋で排出可能。 | 各区の資源循環局収集事務所に事前連絡のうえ持ち込み。 |
| 綾瀬市 | 「綾瀬市リサイクルプラザ」に持ち込めば、無償でスムーズに回収。 | リサイクルプラザ側が「膨張していても持ち込みOK」と案内している。 |
| 大和市 | 電極を絶縁したうえで「燃やせないごみ」として排出可能。 | 同じく絶縁処理をしたうえで、「燃やせないごみ」で出せる先進的な運用。 |
このように、同じ県内でもルールが大きく異なるため、「自分の市区町村名+モバイルバッテリー」で検索して最新情報を確認することが重要です。
よくある質問Q&A
- Q. 本体にリサイクルマークが付いていないモバイルバッテリーは捨てられる?
A. 資源有効利用促進法施行前の製品などでは、リサイクルマークが付いていない場合もあり、マークの有無だけでは判断できません。 自治体やメーカーの案内に従えば問題なく処分できます。 - Q. バッテリーを内蔵した小型家電はどうすればいい?
A. 横浜市のように「小型家電回収ボックス」や「燃やすごみ」での回収を認めている自治体もありますが、地域によって扱いが異なるため、必ず自治体の「小型家電リサイクル」のページを確認してください。 - Q. 事業で大量に出たモバイルバッテリーも同じ方法で捨てていい?
A. 多くの自治体施設は個人利用が前提で、持込量が多いと事業系と判断され、産業廃棄物ルートを案内される場合があります。
処分前の保管と安全対策
処分まで時間が空く場合は、次のような点に気をつけて保管すると安全です。
- 高温・多湿・直射日光を避け、燃えやすい物から離して保管する
- 無理に使用を続けず、充電・放電の回数を減らす
- 膨張や変形が進行している場合は、なるべく早く自治体やメーカーの指示に従って処分する
年末の大掃除などで古いバッテリーがまとめて出てきた場合は、その場で「正常品」と「異常品」を分けておくと、その後の相談・持込がスムーズになります。
今すぐできるチェックリスト
- 自分の市区町村名で「モバイルバッテリー 処分」と検索したか
- バッテリーの状態(正常/膨張・破損)を確認したか
- メーカー名から、JBRC加盟かどうか・メーカー回収の有無を調べたか
- 電極部分をテープで絶縁するなど、安全対策を行ったか
- 事業利用の場合、産業廃棄物としての処分ルートも確認したか
このチェックリストに沿って行動すれば、安全性と環境配慮の両立はもちろん、最新のルールに沿ったモバイルバッテリー処分が行えます。

