お客様のほうが先に着く引越しの日──予想外の展開も仕事の一部【旭区から平野区へ】

公開日: 2025年12月某日 / カテゴリ: 引越し現場, 単身引越し, お客様との連携

こんにちは。

いまだ運送です。

今回のお引越しは、大阪市旭区から大阪市平野区まで。距離としてはそれほど遠くない移動ですが、作業の流れは毎回違い、ひとつとして同じ現場はありません。

そしてこの日もまた、ちょっとした“イレギュラー”が起きました。


目次

■普段なら同乗できるのに、この日に限って…

いまだ運送では、状況によってお客様に助手席へ同乗していただくことが可能です。特に単身のお客様の場合、荷物がコンパクトなら助手席までスペースが確保できるため、お客様と一緒に目的地へ向かうケースも珍しくありません。

ところが、この日は違いました。

助手席まで──というより、足元からダッシュボードの横まで全部荷物でパンパン。

引越しでは作業の安全を最優先に考えるため、当然ながら助手席を荷物で埋めることは通常はありません。ですが今回は、

  • どうしてもお荷物が多かったこと
  • 天候の影響で積み方を工夫する必要があったこと

などが重なり、例外的に助手席まで広く使う積載方法を選びました。

その結果、お客様が同乗できるスペースがゼロに。

「すみません…今日は電車で向かっていただく形になります」とお伝えすると、お客様はすぐに状況を理解してくださり、「じゃあ電車で先に行ってますね」と笑顔で言ってくださいました。

こういう柔軟なお客様に出会うと、本当に助かります。

■引越し屋より先に到着するお客様

作業を終え、荷物をトラックに積み込み出発したあと。運転しながらふと、「お客様、もう平野区に着いてたりして…」と頭をよぎりました。

というのも、旭区から平野区への電車移動は驚くほどスムーズ。電車は信号待ちもしなければ、渋滞にも巻き込まれません。

一方で、トラックはどうしても

  • 交通量
  • 信号
  • 道幅の狭い住宅地

などの影響を受けます。

そして案の定──新居に到着した瞬間、お客様はすでに到着済み。

「お疲れさまです! 先についてました〜!」と手を振られ、素直に笑ってしまいました。

引越し屋より先に着くお客様。実はこれ、単身引越しではわりとよくある出来事です。

ですが、この“順番が逆転する瞬間”には、毎回少しドラマがあります。

■お客様の移動と、僕らの移動はまったく別物

引越しというと、「トラックが行って、お客様が行って、新居で合流して作業」と単純に思われがちです。

しかし、実際には引越し屋の移動はただの運転ではありません。

  • 積んだ荷物が横にズレないように慎重に運転
  • 段差や急カーブを避けるルートを選択
  • 車高の制限がある場所を避ける
  • 新居の荷下ろし導線を踏まえて停車位置を考える

荷物を守るため、スピードを抑えながら本当に細かく気を使います。その結果、電車移動のほうが断然早くなるのです。

「着くのが遅くなってすみません」と言うと、「いやいや、むしろ私が早すぎただけですよ」と笑ってくださったお客様。

その一言で、積み込みの疲れがスーッと消えていきました。

■平野区での荷下ろし開始──生活の形が見えてくる

新居に到着すると、荷物の降ろし作業が始まります。

引越しの現場でいつも思うのは、積むときより、降ろすときのほうが“その人の暮らし”がよく見えるということ。

  • どんな家具を大事にしているのか
  • 趣味のものは多いのか
  • 生活導線をどう考えているのか
  • どの部屋にどれを置くのがベストか

一つひとつの荷物を見ながら、お客様の生活スタイルを把握し、理想の配置を一緒に考えていきます。

この日の平野区の新居でも、「これはリビングでお願いします」「その箱はキッチンで」とスムーズに指示をもらいながら、丁寧に運び込みました。

電車で先に到着したことでお客様が落ち着いた状態で到着を迎えられたのも、大きかったと思います。作業がスムーズに進むと、引越し全体のストレスも減り、お客様の満足度も上がります。

■“同乗できなかった引越し”が教えてくれたこと

今回の引越しは、一見するとただの単身引越しのようですが、現場に立つ僕にとっては学びの多いケースでした。

●その1:お客様は柔軟に対応してくださる

「同乗不可」という判断をせざるを得ないとき、どうしても気を遣います。でも、多くのお客様は状況を理解し、むしろこちらの安全を優先してくださる。今回もそのおかげでスムーズに運べました。

●その2:移動手段が違えば“到着の順番”も変わる

引越し屋よりお客様が先につく──これ自体は珍しくありません。でも、この逆転が生まれるのは、「荷物を守りながら運ぶ」という引越しならではの事情があるからです。

●その3:引越しは“運ぶだけの仕事”じゃない

電車で先に着いたお客様と僕らが新居で再会し、荷物を降ろし、部屋に収め、生活の形を整えていく。その一連に立ち会うことで、お客様の新生活のスタートに寄り添う喜びを感じます。

■今回のお引越しを終えて

大阪市旭区から平野区へのお引越し、ご依頼いただき本当にありがとうございました。

積むときも、運転中も、降ろすときも、一つひとつの判断と行動が、お客様の大切な生活を支える仕事だと改めて実感した1日でした。

「同乗できない問題」も、お客様の理解のおかげでスムーズに解決。そして最後は笑顔で「助かりました!」と言っていただけて、こちらこそ嬉しい気持ちでいっぱいでした。

これからも、どんな状況でも柔軟に、そして安心して任せてもらえる引越し業者であり続けたいと思います。

この記事を書いた人

目次