【現場コラム】大阪市西区→此花区のお引っ越しで考えた:「エレベーターの前と後に階段がある意味、あれって何?」

【現場コラム】大阪市西区→此花区のお引っ越しで考えた:「エレベーターの前と後に階段がある意味、あれって何?」

公開日: 2025年12月某日 / カテゴリ: 単身引越, 大阪市内, 引越しコラム

こんにちは。

いまだ運送です。

先日、大阪市西区から大阪市此花区までのお引っ越しをご依頼いただきました。日頃から様々な建物で作業をしていますが、今回の現場では、作業スタッフの心をちょっとだけざわつかせる“とある構造”が目に飛び込んできました。

そう、それは——「エレベーターに乗る前と、乗った後の両方に階段がある」という、引越し業者泣かせの謎ギミック。

お客様も思わず、 「これ、なんでこうなってるんですか?」 と驚かれていました。

建物の造りは本当に奥が深い。今回はそんな現場での気づきや裏話、作業の工夫などを、コラム形式でたっぷりご紹介します。


目次

■1. 西区から此花区へ——距離は短め、道のりは意外とドラマチック

大阪市西区から大阪市此花区までは、地図上で見るとそれほど距離はありません。車両の移動時間も短く、引越しとしては“近距離”に分類されます。しかし、引越しは距離だけでは語れません。難易度を大きく左右するのは、建物の構造です。

西区はマンションが密集しており、築年数も用途もまちまち。一方、此花区は比較的新しい建物も多い反面、昔ながらの造りが混在しています。

今回の現場は、その“昔ながらの名残”が随所に見られる建物。この「ちょっとした段差」が積み重なるだけで、実は作業内容が大きく変わります。

■2. エレベーター前に階段? そして到着階にも階段? その意味、現場視点で考えてみる

まず、引越し業者が最初に驚くポイント——それは、エレベーターの前に数段の階段があるという造り。しかも、到着階にも、同じように数段の階段。

引越し屋としては、 「エレベーターがあるのに、階段を使わせてくる…!」 という気持ちになります。

が、もちろん建物にも事情があります。業者としていろんな現場を経験する中で、よく考えられる理由は次の通りです。

●理由①:昔の建築基準による“半階ずらし”構造

昔のマンションでは、敷地の形状や地盤の高さの問題で、フロアを完全に揃えず“半階ずらす”造りが採用されることがありました。それにより、エレベーターが「各階ど真ん中に止まらない」仕様になることがあるのです。

結果として、

  • エレベーターを降りる
  • 数段の階段を上がる
  • やっと住居フロア

という動線になるわけです。

●理由②:エントランスとエレベーターが“独立している”構造

敷地の形や道路との高さの兼ね合いで、「エントランス → 階段 → エレベーター」という導線になっている建物もあります。

たとえば、

  • エントランスは道路より低い位置
  • エレベーターは建物の中心部で道路と同じ高さ
  • その間に段差ができる

こうした構造は古いマンションに多め。

●理由③:増築で動線が変わった

後からエントランスを改修したり、エレベーターを増設したケースでは、「元の構造」と「新しい構造」が混ざり、結果的に階段が発生してしまうことがあります。

●理由④:とにかく“昔の設計”

これは引越し業者としての実感ですが、昔のマンションは生活動線より建物の都合が優先されていることが本当に多い。

「とりあえずエレベーターつけました!」「階段?まあ必要やから置いとこか」くらいの勢いを感じる物件もしばしば。

結果、現代の感覚では理解しづらい造りに見えてしまいます。

■3. 引越し現場で階段があると何が変わる?

エレベーターがあるなら安心、と思われがちですが、階段が2か所はさすがに手強い。現場では次のような違いが出ます。

●作業時間が増える

階段があると、荷物を持ったまま昇り降りするため、どうしても時間がかかります。重量物ならなおさら。

●大型家具は動線確保が必要

階段幅が狭いと、家具を持つ角度を微調整したり、一度置いて持ち替えるなどの作業が増えます。

●安全管理が重要

階段を下りるときは、前が見づらくなることもあります。プロは「後ろ歩きするか」「どちら側を持つか」などのルールを決め、リスクを減らします。

●傷対策も追加

階段部分は壁や手すりが近いため、傷がつかないよう緩衝材を当てたり、家具にカバーをしたりと、丁寧な準備が必要になります。

■4. では今回の現場はどう動いたのか?

今回の大阪市西区→此花区の引越しでも、まさにこの「エレベーター前と後の階段」が作業のポイントでした。

●荷物の順番を最適化

重い家具や家電から先に運び、階段作業の負担を軽減。

●動線を事前にチェック

階段の幅、手すりの位置、曲がり角の余裕をチェックし、どの荷物をどう持つかシミュレーション。

●傷防止の徹底

特に階段の壁が近かったため、家具に丁寧にカバーを装着。

●安全確保

引越しは体力だけではなく、段取りと判断力が大切です。どれだけ小さな階段でも、それを軽視せず、丁寧に作業しました。

■5. 階段がある物件の引越しでお客様が知っておくと便利なこと

もしあなたの家にも「エレベーターの前の段差」「エレベーター後の階段」がある場合、引越し時にはぜひ次の点をご参考ください。

●事前に階段の段数を伝えると、作業がスムーズ

段数がわかると、料金も最適化できます。

●家具が通るか心配な場合は、写真を送ると安心

壁の曲がり、階段の幅、天井高さなど、写真で見ると判断がしやすいです。

●階段×大型家具は早めに相談

冷蔵庫・洗濯機・タンスなどは、階段の形で難易度が大きく変わるため、事前の確認が重要です。

■6. 最後に

今回のご依頼、誠にありがとうございました。

エレベーターがあっても階段がある——これは現場でよくある「ちょっとした謎」ですが、建物の歴史が影響していることがほとんどです。

いまだ運送では、どんな建物でも、どんな導線でも、「安全に・丁寧に・確実に」お荷物を運ぶことをお約束します。

大阪市西区・此花区でのお引っ越しはもちろん、大阪市内全域・尼崎市・西宮市・兵庫県エリアまで対応しております。

少しでも気になることがあれば、いつでもご相談ください。

ご利用ありがとうございました。

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