“通れない洗濯機”と向き合った一日 ― 大阪市東淀川区 → 都島区、予想外の難所に挑んだ現場レポート ―

公開日: 2025年12月某日 / カテゴリ: 引越し現場, 付帯作業, ドラム式洗濯機

こんにちは。

いまだ運送です。

今日は、東淀川区から都島区へのお引越しで起きた“ひとつの事件”について、じっくり書いていこうと思います。引越しの現場には、時々「これはどうやっても動かないぞ」という壁が立ちはだかることがあります。今回の現場も、まさにそんな瞬間が訪れました。

物語は、新居の玄関を開けた瞬間から始まります。


目次

■新居の通路に立ちはだかる「洗面台」

搬入の準備を進めていたとき、いつものように洗濯機を運び込み、通路の幅を確認してみると――

そこには、想定していなかった“障害物”があったのです。

通路の左側いっぱいに設置された“洗面台”。しかも奥に進むほど通路が細くなっていくタイプ。「これは……ドラム式の幅ギリギリどころじゃないな」

普段から通路が狭い現場は慣れていますが、今回の新居は“洗面台の出っ張り”によって、実質的な通路幅がかなり削られていました。肩も通しにくいほどの距離しかありません。

ドラム式洗濯機は、大きいものだと幅が60cm以上。そして今回の通路は測るまでもなく、常識的には通らない幅。

「斜めに倒せば通るか?」

いろいろな可能性を頭でシミュレーションしながら、現場の寸法を一つずつ確認していきました。

結果は、すぐに判断せざるを得ませんでした。

“通常ルートからは絶対に通らない。”

ここから、臨機応変な判断が求められる“現場ならではの時間”が始まります。

■お客様も巻き込んだ“二人作業”へ

このままでは洗濯機が洗濯パンに乗らず、「洗濯ができない家」になってしまう。

引越しは荷物を運ぶだけが仕事ではありません。“生活がその日からスタートできる状態にする”そこまでが僕の役目。

そこで、お客様に状況を丁寧に説明し、方法を提案しました。

「通路を通すことは物理的に不可能なので、洗濯機を二人で持ち上げて、洗面台を上から回り込む形で運びましょう。」

お客様がとても体格の良い方だったこともあり、「一緒に持ち上げて運びましょう」という案に快諾いただけました。

ここから、まさに“現場の連携プレー”が始まりました。

■地味に“怖い”作業

ドラム式洗濯機は、軽くても70kg前後。持ち方によっては指を挟んだり、壁や床を傷つけたりする危険もあります。

しかも今回は、

  • 通路が狭い
  • 洗面台が邪魔して角度が取れない
  • 洗濯パンは奥まった位置

条件が重なり、普段の搬入とはまったく違う難易度。

僕とお客様で声を掛け合いながら慎重に持ち上げる。

「せーの、でいきますよ」

「はい、いけます!」

その一瞬一瞬が、まるで重い家具を運ぶというより“パズルのピースを動かしている感覚”。

汗が腕を伝い、洗面台の縁にぶつからないよう微調整しながら、ゆっくり、ゆっくり進んでいく。

そして――

ついに洗濯パンの上に乗せることができました。

重さから解放された瞬間、僕とお客様は、ほぼ同じタイミングで「ふぅ…」と息を吐いていました。

■体格のいいお客様で、本当に助かった

正直に言うと、この作業はお客様が細身の方だったら実現できなかった可能性があります。

持ち上げた瞬間に重さを感じて、「これは無理です」と言われてもおかしくない作業です。

しかし今回のお客様は、しっかりと力があり、姿勢も安定していて、とても頼もしいパートナーのような動きをしてくれました。

引越し会社としては本来、お客様に力仕事をお願いしないのが鉄則です。

ただ今回は、

  • 構造上どうしても通らない
  • 分解もできない
  • 他の搬入ルートもない
  • お客様が協力に前向き
  • 安全に作業できる体格と環境

こういった条件が揃った“特例”として一緒に作業させていただきました。

作業を終えたあと、お客様は少し笑いながら

「いや〜、こんな形になるとは思わなかったですけど、無事に入ってよかったです!」

と言ってくださり、こちらも自然と笑顔になりました。

■引越しは“想定外”の積み重ね

今回の現場で改めて感じたのは、引越しとは“現場ごとに違う答えを探す仕事”だということ。

  • 同じ間取りでも、
  • 同じ洗面台でも、
  • 同じ通路幅でも、

家によって構造が微妙に違い、搬入できる角度が違い、動線の取り方が違います。

図面では問題なくても、現場では通らないこともある。

写真では広く見えても、実際は家具があると狭いこともある。

そのひとつひとつの“差”に向き合うのが、引越しの面白さであり、難しさでもあります。

■洗濯機が置けた瞬間、“暮らしが動き出す”

洗濯機を洗濯パンの上に設置し終えた瞬間、部屋の空気が少し変わった気がしました。

引越し作業のゴールは、家具を置いてドアを閉めることではありません。

お客様がその日から生活を始められる状態をつくること。

洗濯機が使えない家では、その日の洗濯ができるかどうかが生活の大きな不便につながります。

今回は「生活のスタートに関わる大きなハードル」を一緒に乗り越えられたような、そんな達成感がありました。

■最後に

東淀川区から都島区までのお引越し。途中で立ちはだかった“洗面台という強敵”。それを乗り越えるためにお客様と協力した現場。

日常的な引越しの中にも、こうして“ドラマ”のような瞬間が生まれることがあります。

この度はご依頼ありがとうございました。そして何より――本当に協力的で心強いお客様に感謝しています。

いまだ運送はこれからも、どんな現場でも“最適な答え”を探し続け、生活のスタートに寄り添う引越しをお届けします。

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