公開日: 2025年12月某日 / カテゴリ: 引越し現場, 立会いなし, 豊中市
こんにちは。
いまだ運送です。
今回のブログは、普段の引越しとは少し違った「立ち会いなし」で行ったお引越し案件について、じっくりと綴ってみようと思います。いただいたご依頼は、豊中市から大阪市浪速区までのお引越し。そして今回の大きな特徴は、「鍵がポストに入っている状態で、現地に誰もいない」という形の作業でした。
引越しというと、お客様と顔を合わせて挨拶をし、作業の流れを確認してから始まるのが一般的です。しかし近年、仕事の都合、育児、夜勤、遠方への移動、さまざまな事情で「立ち会いができない」ケースが増えています。
今回のブログは、そんな“静かな現場”での引越しの様子を、現場目線で丁寧に描いていきます。
■ポストの中の鍵から始まる1日
現地に到着したのは、まだ街が本格的に動き出す前の時間帯でした。豊中市は朝の空気が柔らかく、風がゆっくり建物のすき間を通り抜ける音が心地よい。その静けさの中で、まず行うことはひとつ。
「ポストの中の鍵を確認すること」
事前連絡で「鍵をポストに入れておきます」と聞いていても、やはり手に取るまでは少し緊張します。無事に鍵が見つかると、そこから仕事のスイッチが入るのです。
鍵を取り出し、手に収まったその瞬間、「さあ、これからこの家を責任もって扱う時間が始まる」そんな気持ちが自然に湧いてくる。
■誰もいない玄関を開ける音
ガチャリと鍵を回し、玄関をそっと開ける。
そこには、誰もいない空気と、昨日まで人が暮らしていた生活の余韻。人気(ひとけ)がないはずなのに、「おはようございます」と挨拶したくなるような、そんな独特の静けさが広がっている。
立会いがない現場では、言葉での確認ができない分、“目で読む・状況を読み取る”という作業が特に重要です。
- どの家具が持っていくものなのか、
- どの荷物が残留物なのか、
- 段ボールの中身は何なのか、
- 床や壁に傷がないか事前チェックも欠かせない。
人がいなくても、声の代わりに部屋が語りかけてくる。
■1人で黙々とまとめ、運び、積む
今回の作業は「完全ワンオペ」。家具を持ち上げる瞬間の重量感、階段や通路の幅を見極める判断、傷をつけないよう角度を変える動作、ひとつひとつの動きが、普段以上に研ぎ澄まされます。
ひとりの作業は体力も使いますが、それ以上に大切なのは“リズム”です。
「持つ→運ぶ→置く→戻る→次を持つ」この往復を黙々と繰り返していると、いつの間にか身体が自然と最適な動きを選びはじめる。
家の中は無音。聞こえてくるのは、
- 靴の底が床を踏む音
- 段ボールを持ち上げた時の軽い息遣い
- 冷蔵庫を動かすときの低い振動
それらすべてがひとつの作業音楽のようになっていく。
■立会いなしでも安心して任せてもらえる理由
立会いなしのご依頼は、少し勇気がいると思います。
- 「本当にちゃんとやってくれるのか?」
- 「荷物は丁寧に扱ってもらえるのか?」
- 「家に傷はつかない?」
- 「終わったあと、何をどう報告してもらえるのか?」
不安があるのは当然です。
だからこそ、いまだ運送では立会いなしでも“見られているつもりで動く”これを徹底しています。
- 床の保護
- 壁の距離を確認しての搬出
- 冷蔵庫や洗濯機の保護カバー
- 作業前後の写真撮影
- 玄関の施錠確認
- 積み終わった時点での報告連絡
丁寧な積み込みはもちろん、お客様がその場にいてもいなくても、同じ品質を保つ。むしろ見えない場面こそ丁寧に。その積み重ねが、立会いなしでも安心して任せてもらえる理由につながっています。
■浪速区へ向かう道中で思うこと
荷物をすべて積み終え、豊中市を出発して浪速区へ向かう道のり。
作業後の車内には“静かな達成感”と、まだ続く引越し工程への気持ちの切り替えが同居しています。
浪速区は都市部で交通量が多く、道幅も狭い場所がある。だから現地に向かう途中、「搬入経路はどうだろう」「家具の配置はスムーズにできるか」そんなことを考えながら運転していく。
豊中の静かな住宅地から、浪速区の都会らしいスピード感へ。この“空気の変化”もまた、引越しの面白さのひとつです。
■荷物を新しい暮らしへ
新居に到着し、荷物を降ろしていくと、さっきまで空だった部屋が、少しずつ“生活の匂い”を帯びていきます。
引越しというのは、ただ荷物を動かす作業ではありません。
その人の歴史と、これからの新しい生活を運ぶ仕事。特に立会いがない時は、「お客様はこの瞬間を見ていない」という責任と緊張感がより強く働きます。
最後の段ボールを降ろし、家具を定位置におさめ、玄関を閉めた瞬間、「あぁ、今日もちゃんと届けられたな」そんな静かな満足感が胸に広がります。
■立会いなしのお引越しにも誠実に
今回のご依頼も、無事に終えることができました。
ポストに入っていた鍵を手に取るところから始まり、ひとりでの搬出、積み込み、移動、搬入。すべてが流れるように進んだ一日。
立会いがなくても作業は変わりません。むしろ、その不在を埋めるように、より丁寧に、より正直に。そんな思いで作業をしています。
この度はご依頼ありがとうございました。
いまだ運送は、立会いありでも、立会いなしでも、お客様の大切な荷物を同じ気持ちで運ばせていただきます。
「

